2021春。ウイーン移住への記録 第4回
2020.04.16
オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。
ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
────────────────────────────────
2度目のウイーン行きの1か月ほど前。
一組のご夫婦が、メソンを訪ねてくだいました。
京都出身、ドイツ在住。この時期に帰国をされていたようです。
年齢は僕たちと同世代でしょうか。
ここから、不思議な「縁」が次々につながっていきます。
京都に住む妻の妹の、
「姉がウイーンに移住するって言いだしたんですけど、
参考になる話をしてあげてもらえないか」という依頼に、
応えていただいたんだと思います。
(このご夫妻とこちらの姉妹は、
世界展開している同じコミュニティに属しているという信頼関係がベースに存在しています)
オーストリアとドイツは隣国。
ともにドイツ語圏という共通点は確かにあります。
「わたしたちは、ドイツで美術関係の事業を立ち上げてるんですが、
ビジネスパートナーは、ウイーン在住のオーストリア人。
宿泊業にこだわりがなければ、ウイーンで仕事をご紹介できるかもしれない」。
会社の立ち上げや、ビザの取得など、さまざまなお話をうかがいましたが、
ぼくたちにとっての核心はここだったのかもしれません。
ウイーンで宿泊業をスタートさせるには、
資金が足りないという事実に直面しています。
不動産情報をみると、ウイーンから距離のある地方だったら、
手が届きそうな「居抜き」の物件は存在しているが、
ウイーンに住めなくなるうえ、集客にも問題がありそう。
経験のない事業を成功に導く確信もありません。
移住後の仕事は、宿泊業しかイメージにありませんでしたが、
「どんな仕事をするか」より「ウイーンに住み続けられること」のほうが、
ぼくたちにとって大切なのではないか、と思案しだします。
このご夫妻が、ドイツに帰国されてから、
ぼくたちが知らないところで、勝手に「縁」がつながっていきます。