2021春。ウイーン移住への記録 第11回
2020.05.01
オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。
ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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ウイーンでの会社設立をどうするか、という難題とともに、
同時進行しているのが、オーベルジュメソンの「事業承継」問題です。
「事業承継」とは、「会社の経営について経営者が後継者に引き継ぐこと。事業承継には帝王学など、経営者としての資質を育てる【経営承継】と、相続税・贈与税をいかに低くおさえ、かつ株式を次期経営者に引き継がせるという【資産承継】とに分かれる。」(Weblio辞書)
跡継ぎがいない中小企業の閉鎖が相次ぎ、
社会問題化する中で、税制・補助金などの支援で、
この問題を解決できないかという試みが始まっています。
オーベルジュメソンでは、【経営承継】はすでにスタートしています。
当初、この課題は長女へ様々なことを伝えながら、体制も整え、
私たちの移住直前に新代表者へ移行すればいいと考えていましたが、
移住予定の1年前(4月の某日)に、突如思いついて「今日から、ふうかが経営者です」と、
本人も含め内外に宣言することで【経営承継】を始めます。
「立場やポジションが、人をつくる」
これまで、ぼくのまわりで成長した人を見ていての実感があったからです。
これは、多少買いかぶれば、自分たち夫婦自身の経験でもあるといえるかもしれません。
今後、メソンの質を向上させることや、事業の幅を広げるテーマはいくつもありますから、
経営者としての最初の大きな一つとして、
そのうちの一つのテーマ実現のための補助金の申請を担当させることにしました。
申請に必要な「作文」は、オーベルジュメソンを
今後も社会にとって存在させる意義のあることを
見通すことができできないと成り立ちません。
しばらくすると、長女が「別のテーマで別の補助金も申請する」と言い出しました。
その補助金は、事業承継者が申請し、事業承継者自身の新規事業や経営革新の取り組みための補助金です。
補助限度額は、僕が課題にだした補助金の10倍ほどです。
滋賀県には、補助金もふくめ事業承継問題の公的な相談窓口が2か所あります。
それぞれからの公認会計士と中小企業診断士のお二方と、
お話しさせていただく機会がありました。
実は、私たちのウイーンでの会社設立と【資産承継】は、
密接にリンクしています。
しかし、なにをどこから【資産承継】に取り組めばいいのか。
その糸口が見え始めたとともに、
メソンを現在経営している会社の代表者を長女に移行させ、
(当社は、長女に別会社を設立させようと思っていました)
ウイーンでは、日本の会社の支店形式ではなく、
新会社を設立するということが正解なのだと、はっきりようやく見えてきました。