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Story | 【公式】オーベルジュメソン|滋賀・何もしない贅沢を味わう籠れる宿 - Part 8

Story

滞在中の楽しみ方を、
周辺のスポットや季節のトピックを
交えてご紹介しています。

樂家当主が綴った、茶室の建築日記。

2019.04.28

「茶室をつくった。」

淡交社  樂 吉左衛門・著

 

 

 

滋賀県にある美術館といえば、

「滋賀県立近代美術館」「MIHO MUSEUM」「佐川美術館」といったところか。

 

「滋賀県立近代美術館」は、全面建て替えのため休館中なのだが、

工事費の値上がりのため、予算繰りができず、

着工のメドが全くたたない、というかなり寂しい状態だ。

 

さて、この本。

佐川美術館に、2007年に建てられた茶室の5年にわたる建築記録。

設計をした千家十職・樂家15代吉左衛門氏の日記やメールのやりとりを、

まとめたものだ。

 

この本を読んだのは、何年も前のことだが、

メソンを始めて何回かのリニューアル工事を経験してきた僕にとっては、

かなり衝撃的だった。

 

「ん~、建築ってこんなに緻密に向き合わないといけない世界だったか…」

 

客室などを考える際、

どうしてもデザインと機能を優先して考えがちだ。

でも大切なのは、「なんのための客室か」だと思ってきた。

その上で、デザイン・機能なわけだ。

 

この考え方は正しいと思うが、

「なんのため」の思考の膨大さに驚く。

 

氏は「もともと始めから完成への設計図など持ち合わせぬ、

まるで即興演奏のような思考とアイディアのスイングに頼って推し進めてきた

そのやり方は、茶わん作りと変わらぬ生来のもの」だという。

 

なにもないところに「即興」が成り立つわけもなく、

即興演奏には、「広大な問題意識と膨大な知識の蓄積」なのだと思う。

つまり、日ごろからいろんなものを見聞きし、

ちゃんと考えていることが必要なのでしょう。

 

 

「ハナレ」の部屋を作る際、キーワードの一つに

「茶室」が出てきていました。

 

もしかすると、この本に影響を受けていたのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

<第4回>テイスティングにトライしてわかること

2019.04.26

職業柄、様々なワインの試飲会のお誘いを受ける事があります。

 

これまでも数回出かけたことがありますが、今回はこのブログを書くためにも気合い入れて行って参りました!

 

テイスティングは、舌で味わうだけではなく、全感覚を動員して感じる作業といいますが、着目するのは、外観・香り・味わいの三点。

 

まず、その見た目からワインの年齢やブドウの品種、醸造法や保存状態まで教えてくれるのだとか。

 

それらは、輝き、粘性、濃さ、透明度からわかるそうです。

 

今回はテラスで試飲ができましたが、自然光がない時は白いテーブルクロスなどを背景にして見ると良いとのこと。

 

 

次に空気にふれる前のアロマと、そのあとの熟成香であるブーケをチェックします。

 

空気にふれさせるスワーリングとは、よく見るグラスを手にしてクルクルする行為です。

 

私はなんだかはずかしくって、いつまでたってもテーブルにグラスを置いたままクルクルしています笑。

 

ワインのアロマは自然の中にある香りに重ねて表現されますが、果実の香りや、熟成香で表されるブーケは枯れ葉や紅茶、なめし皮なんていうものもあります。

 

この点はうちの次女が得意とするところ。ワインに限らず、ありとあらゆる匂いを嗅いで、ピーマンの匂いがする、とか、私が予想もしない表現をしています。

その感受性がうらやましい

 

 

最後にワインの味は、口の粘膜で感じる刺激とワインのもつ風味から伝わる味覚の両方からハーモニーが生まれるといわれます。

 

舌には味蕾(みらい)と呼ばれる味覚を感じる受容体があり、舌先では甘味を感じ、側面では酸味、そして奥の方では苦味を感じます。

 

ワインを舌全体にいきわたらせて楽しみ、そのアルコールとのバランスでワインのもつ個性がみえてくるといわれています。

 

今回の試飲会は、ボルドーのワインを紹介するもので、赤が、圧倒的に多いのだろうなぁと思って行きましたが、白ワインにも見事なものがありました。

 

もっと気軽にボルドーワインを楽しんでほしい、という主旨でしたので、鳥の唐揚げと合わせれば最高!というのものや、今、Meson で販売しているソーテルヌという地区で造られた貴腐ワインにも、とてもいいものがありました。

これはぜひ手に入れたい!

 

少し湿度を含んだ風に吹かれながら、美味しいワインをあれこれ試せる、楽しい一日となりました。

 

次回は、このボルドーワインについてもう少し学んでみたいと思います。

<第3回>ワインのラベルが読めるようになりたい

2019.04.15

どのようにしてワインを選ばれますか?

 

ワインのことがよくわからない頃は、その時の気分で赤か白か、スパークリングは1本飲み切らなきゃいけないし

 

と、店先に並ぶボトルを値段と相談しながら眺めていました。

 

予算が決まれば、あとの目安はいわゆるジャケ買い。それも、その時の直感で何気なく選んでいた様に思います。

 

ジャケ買いですので、どちらかというと個性的なものをチョイスしていたのではないでしょうか。

 

今思うと、そのようなワインはお味も挑戦的?だったのかもしれませんね。

 

何処かで食事をしていて、このワイン、美味しい!と思った時は、自分がどういう傾向の物を美味しいと思うのか知りたくて、エチケット(ラベル)を頂いて調べたこともありました。

 

その頃に確認したのは、値段と自分でも手に入れられるかどうか、そして、そのワインの名前を知ったという程度の理解でした。

 

 

EBINAさんは、ラベルを見ただけでワインのおおよそのイメージがつかめるようになりますよ、とおっしゃいます。

 

おー、カッコイイ‼︎

 

ラベルには一体何が記されているのだろう?

 

その中には、表記が義務づけられているものと任意とされているものに分かれるようです。

 

とくに、

ワインの品質の分類

作られた場所

生産者

ヴィンテージ(収穫の年)

 

などがわかれば、飲んだことのないワインでも、ある程度の味や香りが想像できるようになるのだとか。

 

世界のワインの縮図といわれるフランスワイン。ワインの味の基本となる10の特徴ある生産地から、私は今一度、基本的なことから学んでいきたいと思います。

「えっ?このお2人?」

2019.04.08

その日は、ぼくが駅まで宿泊の方をお迎えに。

「えっ?このお2人?」

 

予約の段階では、必ずしも年齢がわからないので、

送迎の対象を見つけるのは、

「男女比」みたいなことになることが多い。

(昇降客が極端に少ない駅なので、難しくはないのですが…)

 

なぜ、動揺したのか?

想定外に若すぎたのだ。

 

そこに現れたのは、20歳に至っているかどうかの女性2人。

おそらく創業以来、一組あたりの最年少記録だと思う。

 

「あばあさんが、福引であたったのをもらったんですもらったんです」

「オーベルジュチケット」というギフト用につくられた商品があり、

それを譲り受けたお孫さんが、友だちと2人でやってこれられたわけだ。

 

僕には一抹の不安が湧く。

「この世代にメソンはどう受け取られるんだろう?」

 

この不安は、杞憂だった。

こんな感想が「客室ノート」に残されていた。


友人と2人で泊まりにきました。

部屋も広くてゆっくりと過ごすことができ、アメニティーも豊富で良かったです。

食事も豪華で、とても美味しかったです。

 

私たちは大阪から来たのですが、こういったゆっくりと過ごす、

という旅行は考えたことがなく、どんなものだろうと思っていたのですが、

ゆっくりまったりと過ごすことが出来、オーベルジュの名の通り良い旅行となりました。

 

私たちは友人との旅行は今回が初めてなのですが、

この旅行が良すぎて、これからの旅行のハードルが上がりそうです!

 

1泊2日でしたが、楽しい時間をありがとうございました。

 


 

ほっと、しました。

とてもうれしい感想でした。

<第2回>葡萄の歴史≒ワインの歴史?

2019.04.08

今回は、ワインってどうやって作られたのだろう?と思い調べてみました。

 

葡萄の木は、人類発祥以前からカスピ海周辺に自生していたといわれます。

 

一説には紀元前8000年ごろからワインの歴史は始まったそうです。 

 

落ちた葡萄が潰れて果皮についている天然酵母によってワインが作られたとすると、葡萄の歴史がワインの歴史でもあるといえるようです。

 

紀元前8000年といえば、世界では石器が使われていた時代。

 

日本の縄文時代の頃からワインが存在したということになります。これにはビックリ。

 

ワインは、醸造酒である他のビールや日本酒と違い、一切水は加えられていません。

 

葡萄そのものから出来上がったとするなら、歴史が古いというのもうなずける気がします。

 

メソポタミア文明初期の遺跡や文献では、紀元前4000年から石臼を使って醸造が行われていた事が分かるそうです。

 

古代ギリシャで医学の父といわれるヒポクラテスはワインを薬として処方した様子。解熱剤や利尿作用、疲労回復に効くと記しているようです。

 

フランスを中心としてヨーロッパに広まったワインは、様々な政治的、宗教的な影響を受けて16世紀には世界中に広まったそうです。

 

いわゆる大航海時代ですね。

 

 

先に日本酒の文化があった日本でワインが作られることはなく、ポルトガルやオランダとの交易によって少しずつ浸透してきたようです。

 

ただ、今のように手軽にワインを口にするようになったのは、ず~っと、ずっと後のバブル期。ボージョレ・ヌーボーの大流行によってワインはごく身近なお酒となったいったそうです。

今では生産国としても世界から注目をされているそうで、まだまだこれからが楽しみなんだとか。

 

どんなことも数をこなさないと見えてこない世界があると思いますが、これから、いろんなワインをいただきながら私のワイン史を作ってゆきたいと思います。

 

<第1回>ワインとの出逢い

2019.04.01

私がはじめてワインの存在を知ったのは、おそらく小学生の頃。

ワインというよりぶどう酒という感じの印象でした。

 

祖母の作った梅酒が大好きで、薄めたものを水筒に入れて持ち歩いていたほど。

この頃からアルコール分解酵素が達者に働いてくれていたのでしょう 笑。

 

父がお歳暮か何かでもらったぶどう酒を好奇心から、こっそりなめてみると、なんとすっぱい‼︎

 

それ以降、遠ざかっていたお酒でしたが、20歳の頃、ワインクーラーで冷やされたボージョレ・ヌーボーを戴く機会がありました。

 

何、これ⁉︎ 美味しい‼︎ 飲みやすい‼︎

 

主人と結婚してからは、ドイツの黒猫 カッツを二人で楽しむようになりました。

 

様々なワインに出逢うようになったのは、正直に言うとMeson を始めてからなのです。

飲食業界に関係のない仕事をしていた私たちにとって、ワインについても全くの素人。

 

Meson でご提供するワインをどうしたものかということで、様々なワイン専門店を経て、ようやく落ち着いたのが、今お世話になっているCAVE de EBINAさんです。

 

この度、そのEBINAさんからのおススメで、ワインの面白さ、愉しみ方などをテーマ別(地方別など)で学んでみませんか、とご提案いただきました。

 

ワインの美味しい飲み方にも興味を持ち始めた私はお願いします!と即答しました。

 

食いしん坊の私としては、ワインだけ、というより、やっぱり何かしらお料理を頂きながら飲みながら、ワインと仲良くなりたいなと思います。

 

今後、毎週月曜日に更新することを目標に投稿いたします。

これをお読みいただいた皆様のワインのお話も、ぜひお聞かせてください。

 

コメント大歓迎です。

どうぞ、よろしくお願いします。

 

 

私たちが考えるウエディングのこと。

2019.03.17

いま、ブライダル業界は混迷している。

 

少子化、婚姻数の減少に加え、

結婚式を実施する割合が減り、参加人数も減少の一途。

 

5年ほど前まで結婚式場は増え続けていたが、

少しづつ閉めるところがでてきているようだ。

継続しているところも、売り上げの維持に懸命なのだ。

 

創業から数年間、メソンの経営はウエディングの売り上げが支えてくれた。

でも、いつも新規を追い続けるこの部門は、

経営の安定には当てにはできないと、

ここ10年以上は宿泊部門にエネルギーも資金も投入してきた。

 

 

そんな今、オーベルジュメソンのウエディングサイトの

リニューアルの準備をはじめた。

 

こんな混迷の時期だからこそ、

私たちがウエディングに、あらためてきちんと取り組む意味があるんじゃないかと。

 

これまで、数百組の結婚式をともにしてきた経験から、

あらためていま考えていることをまとめた。

完成一歩手前の段階のサイト用の原稿だが、

お読みいただければと思う。

 


 

●見出し

「メインテーマは、感謝を伝えること」
「主催者は、自分たち」

ここからすべてを組み立てなおす、
新しいウエディングのかたち。

 

●本文 

「結婚式をする意味」がわかりにくくなってきている今。
私たちは、ウエディングの本質の捉えなおしが必要だと考えます。

 

結婚とは、お二人がそれぞれの家族から自立し、
新たな家族をつくること。

 

だから結婚式は、いわばお二人の「自立宣言」の場。

 

自身の成長に様々にかかわっていただいた方々を、
一堂にお招きし、これまでの感謝を伝え、
これからの生きていく道を見守っていただく。

 

ウエディングという大切な時間は、
そのための場とするということ。

 

そして、その場を自分たちでつくってみようと。

 

ここから一緒につくりあげていきたいのです。

 

 

<少しだけ非日常の、あらたまった空間と時間が必要です。>

 

オーベルジュメソンは、森の別荘地にあります。
ここに流れているのは、ゆったり流れる「森の時間」。

 

あたたかな空間、洗練されたお花、
多くの方々に「おいしい」と評価されているフレンチスタイルの料理。

 

そんな非日常の場と時間を設定することで、
日常では考えられない、
あらたまったメッセージが生まれてきます。

 

<ゲストとのコミュニケーションのための「4つのしかけ」>

・チャペルは対面式。
・パーティーは、ビュッフェスタイル。
・お二人のセンス+3つのスタイル。
 【モダン】【エレガンス】【シャビー】
・オーベルジュだから宿泊可能

 

 It’s your style wedding.

 

 

<「主催者」の想いをかたちにするのは、むずかしくない。>

 

オーベルジュメソンがウエディングを手がけてから、
すでに数百組。
お二人からじっくりお話しを伺いながら
「新たなウエディングのかたち」に挑んできました。

 

ですから、外部パートナーとともに、
経験はたくさん蓄積していますが、
いつも新鮮に向き合います。

 

お二人にとって、
とても素直なきもちで臨める、
本当のウエディング。

 

ごいっしょにつくりあげるお手伝いを、
これからもずっと。

 

旅から湧く妄想。

2019.03.10

この2月に中欧の3都市に旅行した。

 

この期間、「トラベロコ」というサイトを通じて、

そのエリアに在住する日本人の方々と、

1回ずつ食事をともにしていただいた。

 

下記は、その中のお一人に日本に戻ってからお送りした、

メールの一部です。

 


 

大変お世話になりました。

日本に帰ってから、仕事復帰まで中2日とりましたので、
なんとか正常な状態に戻れそうです。

 

宿泊業を営む私たちが、あらためて痛感したことは、
どの土地を訪れるのであれ、
旅の良し悪しの評価のベースは、

食事・ホテル・人が占める割合が非常に高いのだということ。
つまり、宿泊施設は決定的要素をになっているということです。
(私たちのオーベルジュは、原則2食付きでしか予約を受け付けません)

 

この感覚に、かなりドキッとしました。
私たちは、こんな重い覚悟で日々仕事をしていたか、という感じでしょうか。

 

今回、ブダペスト→ウイーン→プラハの3都市、4つのホテルで宿泊しました。
うち3つのホテルは、日本の旅行代理店の低価格のフリープランによるチョイス。

そんな旅だったこともあってか、
上記のようなことを強く思うのかもしれません。

 

母国語圏が、非常に狭い日本人にとって、
外国旅行はつらいものがあります。
その意味で、日本人にによる日本語の旅のアドバイザーの存在は、とてもありがたい。
旅の良し悪しを決めかねない、「人」がそこにかかわってくれるからです。

 

もちろん、個人差はあると思いますが、
レストラン、宿泊も含め、比較的安価な施設ほど、
おおよそスタッフに「私の収入は、あなたの支払いが源泉になっている」

という感じを持ちません。

その国あるいは地域がもつ「働くこと」にたいする、

ある「基礎」ができあがってしまっているのでしょう。

そこに、会話が成り立ちにくいという要素が加わります。

 

日本人がヨーロッパを旅する「苦行」は、施設的な要素もあります。
「公衆的トイレが有料」「ウォシュレットがない」「バスタブがないホテルがある」…。

 

「自分たちが、日本人のくつろぎにふさわしいホテルをつくったらいいんだ!」
今回の旅で、強く思ってしまったわけです。
私たちには、そのための経験はあると。

 

宿泊施設できちんと経営は成り立たせつつ、
音楽やバレエなどで留学してくる若い日本人の「下宿」的な要素も

併設できたらいいなぁなどと妄想も…。
(旅の出発直前に「のだめカンタービレ」を見ていたわけです。)

 

いまのオーベルジュ同様、ゆっくりとリニューアルを繰り返し、
経営を安定させていくような流れになるでしょう。
ウイーンの歴史や文化を大切にしながら、
日本人にとって心地のいい施設に仕上げていく。

 

 

飛行機に乗ることをできるだけ避けたい私が、
多様な文化を楽しめる大陸に居を移せることは、
何よりの楽しみです。

 

これまでの経験を活かしながら、
これからのゆったりした暮らしと、経営をきちんと両立させる方法として、
実現の可能性を模索していきたいと思います。

 


 

と、妄想しているのは楽しいものです。

ビル・エバンス!

2019.02.10

「ワルツ・フォー・デビー」

ピアノ/ビル・エバンス

 

1961年、ニューヨーク「ヴィレッジ・ヴァンガード」で、

録音されたジャズトリオのライブ。

観客の笑い声・拍手はもちろん、グラスの中の氷の音まで聞こえる。

 

ジャズの世界に初めて触れたのは、大学1年の頃。

あるとき同学年の友人が住む、「一つ星寮」という風変わりな名前の下宿へ。

夜に訪れた彼の部屋は、うす暗い照明、香が焚かれ、音楽が静かに流れていた。

そして酒。

これまでのぼくの育った環境には、何ひとつなかったものが、そこにはあった。

「なんだここは!」

 

その時流れていたのが「ワルツ・フォー・デビー」。

とても落ち着けた。

「これが大人の世界か…」

 

それから40年近く。

ビル・エバンスのCDは、20枚ほどある。

ジャンルは様々だが、数百枚あるCDの出発点はここにある。

 

今でもぼくにとってのベストなCDは、これかもしれない。

大学に入った意味のひとつは、このCDとの出会いだったともいえる(笑)。

 

「大人な音楽」の入口、ジャズの入口として、ふさわしい1枚。

なかでも1曲目「マイ・フリッシュ・ハート」がすばらしい。

 

 

神の眼を持つ写真家

2019.02.10

「Genesis ジェネシス(起源)」(Taschen)

セバスチャン・サルガド

 

なんと、500ページを超える写真集。

この人を知ったのは、3、4年前の映画館のチラシから。

ヴィム・ヴェンダース監督「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」という

ドキュメンタリー映画だった。

 

調べてみると、ブラジルの報道写真家で、環境運動家。

戦争・労働・地球などをテーマにした、

有名なカメラマンのようだ。

 

閉所に行くと息苦しくなるぼくは、映画館にいく気にはならないのだが、

掲載されていた写真に強くひかれた。

しばらく、この人を忘れてしまわないように、

このチラシは冷蔵庫にはっつけておいたのだが、

期限切れの扱いをうけ、いつしかなくなったいた。

 

しばらくして、東京の某デパート。

ブラジルフェアのようなイベントの一角に、

この人の「genesis」が。

「おー。とうとう出会ってしまった!」

だが、あまりの重厚さに、買って帰る気にはなれず、

別ルートで入手したのだ。

ちらっとでも、中を見ていただきたい。

 

ある瞬間が訪れるまで、膨大な時間を費やす人だけに備わる

「神の眼」が実感できるはずだ。