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2月, 2019 | 【公式】オーベルジュメソン|滋賀・何もしない贅沢を味わう籠れる宿

Story

滞在中の楽しみ方を、
周辺のスポットや季節のトピックを
交えてご紹介しています。

ビル・エバンス!

2019.02.10

「ワルツ・フォー・デビー」

ピアノ/ビル・エバンス

 

1961年、ニューヨーク「ヴィレッジ・ヴァンガード」で、

録音されたジャズトリオのライブ。

観客の笑い声・拍手はもちろん、グラスの中の氷の音まで聞こえる。

 

ジャズの世界に初めて触れたのは、大学1年の頃。

あるとき同学年の友人が住む、「一つ星寮」という風変わりな名前の下宿へ。

夜に訪れた彼の部屋は、うす暗い照明、香が焚かれ、音楽が静かに流れていた。

そして酒。

これまでのぼくの育った環境には、何ひとつなかったものが、そこにはあった。

「なんだここは!」

 

その時流れていたのが「ワルツ・フォー・デビー」。

とても落ち着けた。

「これが大人の世界か…」

 

それから40年近く。

ビル・エバンスのCDは、20枚ほどある。

ジャンルは様々だが、数百枚あるCDの出発点はここにある。

 

今でもぼくにとってのベストなCDは、これかもしれない。

大学に入った意味のひとつは、このCDとの出会いだったともいえる(笑)。

 

「大人な音楽」の入口、ジャズの入口として、ふさわしい1枚。

なかでも1曲目「マイ・フリッシュ・ハート」がすばらしい。

 

 

神の眼を持つ写真家

2019.02.10

「Genesis ジェネシス(起源)」(Taschen)

セバスチャン・サルガド

 

なんと、500ページを超える写真集。

この人を知ったのは、3、4年前の映画館のチラシから。

ヴィム・ヴェンダース監督「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」という

ドキュメンタリー映画だった。

 

調べてみると、ブラジルの報道写真家で、環境運動家。

戦争・労働・地球などをテーマにした、

有名なカメラマンのようだ。

 

閉所に行くと息苦しくなるぼくは、映画館にいく気にはならないのだが、

掲載されていた写真に強くひかれた。

しばらく、この人を忘れてしまわないように、

このチラシは冷蔵庫にはっつけておいたのだが、

期限切れの扱いをうけ、いつしかなくなったいた。

 

しばらくして、東京の某デパート。

ブラジルフェアのようなイベントの一角に、

この人の「genesis」が。

「おー。とうとう出会ってしまった!」

だが、あまりの重厚さに、買って帰る気にはなれず、

別ルートで入手したのだ。

ちらっとでも、中を見ていただきたい。

 

ある瞬間が訪れるまで、膨大な時間を費やす人だけに備わる

「神の眼」が実感できるはずだ。

 

 

メソンスタートの著。

2019.02.08

「インターネット的」(PHP新書)

糸井重里・著

 

「メソンは、IT産業です」と、ことあるごとに言い続けてきた。

 

この本が発行されたのは、2001年7月。

私たち夫婦が、メソンの土地・建物を購入したのが2002年7月。

(前オーナーから中古物件を買ったわけです)

 

発行の頃、ぼくは京都で印刷出版業の会社に勤めていた。

オタクな世界だったパソコン通信から、インターネットへの移行期で、

関連業界の周辺は、インターネットの登場で、紙媒体や本はこれからどうなっていくのか、

という予測が激しく行われていた時期だ。

 

ぼくの仕事は、組織や個人がもっている情報を、

ある目的を実現するために再編集し、媒体へ落とし込むことだと思っていたので、

「媒体が違うだけでやることは同じ」なんてぐらいに思っていた。

 

この本が出版される少し前に、いわゆる「ほぼ日」が立ち上がっている。

当時は文字通り、糸井さんが毎日更新する「日記」のようなものだけがあるようなサイトだった。

「とにかく様々な人たちが行きかう『にぎわい』をつくるんだ」というようなことを語られていたことが記憶にある。

 

広告に予算を組めないメソンの創業時代。

どんなサイトを作るかだけが、死活のかかったテーマだったわけだ。

以来、糸井さんの発言や行動を、「存亡」をかけてときどきに見続けてきた。

 

「誠実であること」

これが僕にとっての最大の「教え」かもしれない。

リノベーションの素。

2019.02.03

「Things We Made ローマン アンド ウイリアムスの軌跡」(グラフィック社)

 

上の写真を見つけたのは、去年の始め。

「ログコテージ」の工事に入る前、

プランの最終の詰めをしているころだったか。

 

飛行機に乗るのがとても苦手。

できれば家に籠っていたい僕(妻は対照的な人間です)が、

2年に1度は大きなリノベーションを繰り返すプランのイメージをつくる基にするのは、ネットの画像検索だったりするときも。

その時に出てきたのがこのお店。

 

トラディショナルからインダストリアル。時代や地域。

様々なものが融合したデザインが、とてもメソン的な感じがしたのだ。

 

ハリウッドで美術監督としてキャリアを積んだのち、

ニューヨークを拠点にデザイン会社を設立。

この店舗は、初めてオープンした自身のショップ。

オリジナルデザインの家具・雑貨や、フラワーショップ、カフェを併設する。

 

「この人たちの作品集が出版されているらしい」という妻の言葉に促され、即座にオーダー。

この冬開始する、小さな工事の素はここからなのです。