ビル・エバンス!
2019.02.10
「ワルツ・フォー・デビー」
ピアノ/ビル・エバンス
1961年、ニューヨーク「ヴィレッジ・ヴァンガード」で、
録音されたジャズトリオのライブ。
観客の笑い声・拍手はもちろん、グラスの中の氷の音まで聞こえる。
ジャズの世界に初めて触れたのは、大学1年の頃。
あるとき同学年の友人が住む、「一つ星寮」という風変わりな名前の下宿へ。
夜に訪れた彼の部屋は、うす暗い照明、香が焚かれ、音楽が静かに流れていた。
そして酒。
これまでのぼくの育った環境には、何ひとつなかったものが、そこにはあった。
「なんだここは!」
その時流れていたのが「ワルツ・フォー・デビー」。
とても落ち着けた。
「これが大人の世界か…」
それから40年近く。
ビル・エバンスのCDは、20枚ほどある。
ジャンルは様々だが、数百枚あるCDの出発点はここにある。
今でもぼくにとってのベストなCDは、これかもしれない。
大学に入った意味のひとつは、このCDとの出会いだったともいえる(笑)。
「大人な音楽」の入口、ジャズの入口として、ふさわしい1枚。
なかでも1曲目「マイ・フリッシュ・ハート」がすばらしい。